ヒーリングタッチに関する研究はこれまで数多く実施され、論文発表されています。発表された論文の要旨を選択的にご紹介します。
Healing Touch With Guided Imagery for PTSD in Returning Active Duty Military: A Randomized Controlled Trial
Jain S, MacMahon GF, Hasen P, Kozub MP, Porter V, King r, Guarneri EM. “Healing Touch With Guided Imagery for PTSD in Returning Active Duty Military: A Randomized Controlled Trial”Military Medicine, 2012 Sep, 177(9):1015-21
要旨
心的外傷後ストレス障害(PTSD: Post Traumatic Stress Disorder)は、帰還軍人において深刻な問題となっており、迅速かつ効果的な治療が必要とされている。補完療法介入(ヒーリングタッチと誘導イメージ療法:HT+GI)を行うことが、深刻なPTSD症状のある戦闘経験を持つ帰還現役軍人に対する通常療法(TAU: Treatment as usual)と比べ、PTSDの症状を軽減するかどうかを調べるためランダム化比較試験を実施した。現役軍人(n = 123)を、HT+GIの6回セッション(3週間で)に参加する群とTAUのみの群にランダムに振り分けた。主たる結果はPTSDの症状、副次的結果は、うつ症状、生活の質、敵意とした。包括解析(Intent-to-treat)を用いた反復測定共分散分析の結果、HT+GI群はTAU群と比べて、PTSD症状が統計的、臨床的に有意に軽減し(p 0.0005、d=0.85)、抑うつ症状においても同様であった(p 0.0005, d = 0.70)。また、HT+GI群はTAU群と比べて、精神的生活の質(0.002、d = 0.58)と冷笑的態度(p = 0.001、d = 0.49)が有意に改善した。補完療法介入への参加は、戦闘経験を持つ帰還した現役軍人のPTSDとその関連症状を臨床的に有意に軽減した。今後は、軍人集団におけるPTSDを軽減するためのGT(訳注:GIの誤植か?)と生体フィールドセラピーのアプローチの研究が必要とされる。
◆以上、訳 by NPO法人日本ヒーリングタッチ協会◆