ヒーリングプレゼンス vol.12 2020年10月(公開)
2020年9月27日
目次
情報とセンタリング
世界中でコロナ禍が長期化する最中、2020年も残すところあと3ヶ月となりました。皆さんにとって、2020年はどんな年だったのでしょうか?
世の中には、新型コロナに関して、社会や世界情勢について、自然環境や気候変動について等々、様々な情報が溢れ返っています。ネットでは、多様な大量の情報が溢れ、その情報の信ぴょう性の見極めがとても困難になっています。その一方で、従来のマスメディアからは画一的な情報が流れてきます。SNSでは、その仕組み上、自身の興味に関連する情報のみが現れてきます。
そのような状況の中で、どのように日々過ごしていったらよいでしょうか?
そんな時こそ、ハートに軸を置くことがなにより重要になってきます。ハート呼吸を行い、センタリング・グラウンディングをします。しばらくハートセンターに手を置くのもよいでしょう。毎日、少しでも長い時間、ハートのスペースにいることを心がけましょう。そうすることで、物事の受け止め方が変わってきます。世の中の見方も変わってくるかもしれません。少しずつでも毎日継続することをお勧めします。
ひとりひとりのものの見方、反応の仕方が変わっていったら、社会も変わってくると信じています。今、皆さんのひとりひとりの在り方が求められているのです。
自分らしく生きる
鈴木 幸子 英国バッチ財団登録プラクティショナー ヒーリングタッチ・プラクティショナー研修生 HTSJ理事
「人は皆がヒーラー(癒し手)です。」
これは、今から80年以上前に「バッチフラワーレメディ」を完成させた、イギリス人の医師、エドワード・バッチ博士の言葉です。
日本では、ヒーラーというと、何か特殊な能力を持っている人という印象がありますが、 ヒーリングタッチでは、施術する側をヒーラーと呼び、誰もがヒーラーになれると言います。
いきなり、バッチ博士の話から入りましたが、私が大好きな2つのセラピー、バッチフラワーレメディ(フラワーエッセンス)を使ったバッチフラワー療法とヒーリングタッチにはたくさんの共通点があります。今回はそんなことを中心に話をさせていただきたいと思います。
まず、バッチフラワーレメディについて少し触れますと、これは、イギリスの医師であり細菌学者、病理学者、ホメオパシー医でもあったエドワード・バッチ博士が提唱した「癒しのシステム」です。病気は精神や心の不調から起こると考えた博士は、野生の植物に心や感情を癒す力があることを発見し、1936年にこれを完成させました。具体的な方法としては、植物のエネルギー(波動)を転写したレメディと呼ばれる液体をボトルから直接、あるいは飲み物に加えるなどして摂取します。レメディには、さまざまな感情に合わせて38の種類があります。
バッチフラワーは、花や植物のエネルギーを使って感情を癒すエネルギー療法です。私たちが行っているヒーリングタッチもエネルギー療法の一種で、主にからだに働きかけます。とはいえ、からだと心は繋がっているので、心が癒されるとからだにも良い影響を及ぼすことがありますし、からだが癒されると心も癒されるということがあります。そうした事例もたくさんあります。
バッチフラワーは、病気やその症状に目を向ける西洋医学と違い、その人の感情に注目するので、たとえ同じ症状(病気)でも、人によって選ぶレメディは違ってくるかもしれません。たとえば、風邪を引いたときに、Aさんは前夜遅くまで起きていた自分を責めるかもしれませんが、Bさんは隣の席の人のくしゃみのせいだと他人を責めるかもしれません。AさんとBさんとは感情が違うので、レメディも違います。バッチフラワーレメディは、その方という人間を大切にするホリスティックなアプローチです。
バッチフラワーはまた、セルフヘルプ(自助)のシステムです。これは、西洋医学の医者と患者の関係と違って、処方する側も患者もいないということです。バッチ博士の目的は、彼の著書名にもあるように、『なんじ自身を癒せ』です。レメディは自然界の美しい花や植物、樹木から作られているので無害です。また、全部で38種類しかないので誰にでも簡単に適切なレメディを選ぶことができます。このように、自分で自分を助けるには、安全で無害で簡単であることが大事です。
一方、ヒーリングタッチは、主にからだに働きかける施術ですが、クライアントの肉体だけでなく、感情、思考、霊性といった、その方全体に目を向けるホリスティックなアプローチです。また、すべてのテクニックはセルフケアに使うことができます。
バッチフラワーレメディのプラクティショナーである私がいつも体験することがあります。それは、個別セッションの場合でも、ご自身でレメディを選んでいただくシンプルセッションの場合でも、クライアントさんがお越しになったときのお顔と、お帰りになるときのお顔がまったく違うということです。
最初お会いした時のお顔は、沈んでいたり、暗かったり、あるいは、やけに元気そうなものだったりとさまざまですが、ご自身の感情に合わせてレメディを選び、レメディをボトルに入れる頃には、少しずつ明るさや生き生きとした雰囲気が表れてきます。あるいは無理に元気にふるまうのではなく、自然な笑顔を見せてくださいます。恐らく、それがその方の本当の姿なのだと思うのです。レメディを選ぶという行為だけでも、その方本来の自分、自分らしい自分を取り戻す一歩を踏み出すことになるのではないかと思います。
ヒーリングタッチもまったく同じです。さまざまなクライアントさんが、最初お会いしたときと、ヒーリングタッチ後では別人のように明るくなるのです。それは特に目に表れるように思います。
ヒーリングタッチは、実際に施術してエネルギーが流れるわけですが、バッチの場合は何が起きているのでしょうか? 恐らく、自分の気持ちをみつめ、自分の感情に気づくことで、癒しが始まっているのではないでしょうか。そして、実際にレメディを飲むことでそれが加速するのでしょう。
さて、冒頭のバッチ博士の言葉、「人は皆がヒーラーです」には続きがあります。
「なぜなら、私たち全員が何かに対して愛する気持ちを抱いているからです。仲間に対して、動物や自然に対して、また、美しいものに対して愛情を持ち、私たち全員がその愛を守り、さらに強めたいと願っているからです。」
ヒーリングタッチは「ハート中心」で行う施術です。
私は最近、「ハート中心」はもともと私たちの中にあるものなので、意識しなくても思い出せば良いのではないかと考えるようになりました。バッチ博士はこのような言葉で、私たちの中にある真実の愛を思い出させようとしてくれています。
「おそらく人がよく知っている愛に一番近い体験とは、手の届かぬほど美しい夕日や星降る夜、素晴らしい音楽、あるいは山々や荒野の美しさに触れることだろう。」
「神を、そして仲間を心から愛するということは、きっと見返りを求めず、ただ献身したいと心から願うことだろう。」
「病気や悪は、直接闘って打ち負かせるものではなく、善と入れ替わることで乗り越えられるものだ。闇は光によって消えるのであり、より深い闇が闇を消し去る訳ではない。憎しみは愛によって、残酷さは思いやりや同情の念によって、そして、病は健康によって消えていく。」
「真実の愛とは、きっと人間の一般的な理解を越えた限りないものだ。間違いなくユニティ(全体性)において、私利を滅し私心を完全に消し去って、人格を大いなる全体に溶け込ませていくことだろう。」
いかがでしょうか。ハートが動く感覚を感じましたか? 自分の中の愛を思い出しましたか? そうしたら、もうあなたはヒーラーなのだと思います。
それでも人間ですから忘れてしまうことがあります。それは自分らしさを失っているときかもしれません。そんなときは、ヒーリングタッチやバッチフラワーレメディで、自分を取り戻してはいかがでしょうか。
私たちが自分を生きるとき、自分らしく生きるときは、ハートの中心にいて、そこには必ず愛があると信じています。そして、誰もがヒーラーであると。
グラウンディング
ロリィ・プロッツマン 米国登録看護師 HTI認定ヒーリングタッチ・インストラクター/プラクティショナー HTSJ顧問
アーシングとも呼ばれるグラウンディングは、大地に足をつける、または、電気的につながることの治癒的効果を探求する比較的新しい研究分野です。その実践や研究は、地面からの電荷がどのように身体にポジティブな影響を与えるかの科学的、物理的説明に注力しています。
現時点において、グラウンディングの効果に関する科学的研究はあまり多くありません。これまで、炎症(炎症を表す血液マーカーによる)、心臓血管系の病気、筋肉の損傷、慢性疼痛、気分へのグラウンディングの潜在的な効果が研究されています。
ある理論は、グラウンディングは、細胞間を中心的につなぐ生体マトリックスに響を与えるというものです。免疫系の防御において働くマトリックスにおける電気的なつながりは、グラウンディングを通して促進され、身体に備わる防御システムを回復するという仮説が立てられています。
様々なグラウンディングの方法がありますが、私が確認した方法のほとんどは、大地に直接、間接的に接触することで、自分自身を再接続するとに焦点を当てています。芝生の上や砂や泥の中を素足で歩くことは、皮膚を大地のエネルギーに接触させ、つなげたりする最も簡単な方法です。大地に寝転がると皮膚と大地の接触面がさらに増えます。水の中で歩くのも同様であると聞いています。
ヒーリングタッチでは、大地のエネルギーとつながることを意識しながら、今ここにただ在る状態になり、維持するためにグラウンディングを行います。私たちは、クラウンチャクラから、地球のシューマン波に同調し、身体中の光、音、温度、磁力、電気的振動をバランスさせて、これを行います。ジェームズ・オシュマン博士によると、グラウンディングをすることは、防御し、安定させる効果があり、それゆえストレスを軽減するとのことです。ヒーリングタッチの重要な要素であり原則であるグラウンディングは、ワークをする時、私たちのヒーリングプレゼンス(癒しの存在)をサポートします。
私たちは、日々ストレスに直面し、コロナパンデミックを心配し続けています。自身をグラウンディングさせることは、コロナ禍においてセルフケアをサポートする簡単な方法かもしれません。私たちが自分と大地の最良なことへの癒しの意図を持ってグラウンディングすることで、おそらく、さらなる恩恵を得ることになるでしょう。
数少ない研究が報告されているに過ぎませんが、たとえ、自然とつながるグラウンディングの実践は私たちを「気持ちよく」してくれるものであるとしても、もちろん害はないですし、今こそ、ハートセンターに入りながら自分自身、他者、そして、愛する地球にグラウンディングし、センタリングし、アチューニングすることで、私たちの癒しの存在を強化する時ではないでしょうか?
やさしいタッチングの連鎖
大木 恵美子 看護師 CHTP HTSJ理事
保育園にてタッチングについての講座を行わせていただきました。
今年に入って感染対策への緊張が続いている中、育む場である保育園でも例年とは違った緊張感が流れています。しかし、生まれて間もない子供達には、この状況が人生のスタートです。やさしい触れ合いの中で、健やかに逞しく育って欲しいと願います。令和2年度も下半期へ移行したこの辺で、気分転換!リラックス.リフレッシュしよう!という事をねらいとしました。
講義では、ヒーリングタッチも少し紹介させていただき、その視点も取り入れながら、侵襲性の少ない子供から大人まで誰にでもできるやさしいタッチングを実習しました。
タッチングの準備として、ヒーリングタッチの入門ワークやベーシックでも行うグラウンディングの体験を行いました。そして、自分や相手の身体に触れないで触れる体験→ただ手をやさしく置く→なでる・さする→呼吸や心音に合わせるように緩やかにゆすったり、リズミカルにトントンとタッピングするといった様々な触れ方を実習しました。ほどよい圧をかけたり揉んだりする事がとても気持ちいいことを参加者の皆さんも既に知っていて、各々が楽しんでタッチングしているようでした。あるご夫婦がペアで実習をしていると、お子さんも入ってきて真似してタッチングしている姿が微笑ましく、やさしいタッチングが連鎖していると感じました。
これが氣?エネルギー?
わからないけど、皮膚温とは違う暖かさだね。
なんとも言えない手の温もりだね。
なんだか表情がほころぶね。ホッとする。
自然と笑っちゃう。
まだ触れていたい感じ。
とても透き通った空気の中、静寂の時が流れていきました。
何かをするために触れるのではなく『ただ触れるために触れる』という時間を、みなさん笑顔で過ごしていました。
回避できる「密」とは?
人とのリアルな接触時間・距離・空間が世界中で変化しています。
医療や介護や福祉、保育や教育、癒しを目的に人に直接触れる場などでは、仕事の性格上、いわゆる「三密」「濃厚接触」にならなくてはならない場面が沢山あります。どの業種も「三蜜」「濃厚接触」にならないよう出来る対策を行なってくださり、行く先々でありがたい気持ちになります。
「三密」を検索してみると、真言密教の教えをみつけました。①身密 ②口密 ③心密 です。
現在の状態に当てはめてみると『身体・身なりの清潔を整えお互いの命を守る行動をし、感謝の気持ちは口にしても中身のない風評は口にせず、そして過剰に惑わされないこと、自分や他人、自然、全体を思いやること』と感じました。(あくまで個人的な解釈です) 自分の『内なる主治医』の存在とつながりながら、ホリスティックな心地よさを保って生活している事をイメージしました。
今回講座を終えて感じたことがあります。講座は同じ内容を3回行ったのですが、全員マスクを着けて行うパターンと参加者の希望に応じてマスクを外して行うパターンでは、良い悪いでなく場の雰囲気や親密さに違いを感じました。自分や家族や身近な大切な人との“ふれあいの質”は、リラクゼーションや成長、愛、思いやりを育む上で今後より重要になっていくでしょう。
過剰な「密」・回避出来る「密」・必要な「密」・欠けていた「密」などを考えていたらあっという間に時間が経ちましたので、オチもなくこの辺で終わりたいと思います。
お読みいただきありがとうございました。
aloha and mahalo *・゜゚・*: .。.:*・゜゚・*
おすすめ書籍
光の手(上)(下) バーバラ・アンブレナン著 河出書房新社
今神 早苗 アロマセラピスト ヒーリングタッチ・プラクティショナー
プラクティショナーⅡへ持参する課題として、このバーバラ・ブレナンの「光の手」を再読しました(プラクティショナーⅡでは、読書感想文の課題があります)。最近も、気になることがあり、再びこの本に手を伸ばしました。 ヒーリングタッチを学ぶ前、この本を初めて読んだ時は重要な事が多く書かれている事は感じられましたが、難解に感じてほとんど理解できていなかったと思います。実際にヒーリングタッチを学び始め、その後は、この本を読むたびに感嘆する文章が違い、何度読んでも学びがある本だと感じています。
前回、課題のために再読した時は、人が亡くなる時のエネルギーの様子が書かれた部分に深く感動し、死についての感覚が変わったような感覚がありました。その数か月後、父が突然亡くなり、彼の死後数時間後に、私はヒーリングタッチを父に実践したのですが、その時、本書に書かれている様な金色の圧倒的に美しい光を感じ、とても感動的な体験をしました。葬儀などが終わり、少し落ち着いてから、もう一度本書のその部分を読んだ時、自分が経験した事が分かりやすく言語化されていると改めて感じました。
今回、また改めて再読すると、またもや多くの学びや感動がありました。
実際にヒーリングタッチのセッションを実践すればするほど、この本に書かれている内容や意図を、より深く感じることが出来るのではないだろうかと感じています。
特に、アドバンスⅡで学ぶテクニック(キレーションなど)については、学ぶ前に読み、学んだ後にも読み、そして、実践を重ねてから何度も折に触れて読むことが私にとっては大切だと感じています。再読するたびに、書かれている内容や意図をより深く感じていくように思います。
この本に限ったことではありませんが、必要な文章や必要な事柄というのはベストなタイミングでやってくるものなのでしょうか。
今回再読した時は、22章に書かれているヒーリングセッションを終える時の以下の文章(クライアントのみならず、自分自身に敬意を払うという以下の文章)に、新たな発見をしたような気持ちでいます。
「自分自身を身体の中にしっかり戻し、身体のあらゆる部分の内側に集中し、自分が生まれたことに、そして自分が誰であるのか、何のためにここに生まれたのか、に敬意を払う。必要なあらゆるヒーリングのエネルギーが、この時私の体を通してやって来る。」
クライアント自身やヒーリングに関わった全てに敬意と感謝を表すことは、毎回のセッション終了時に行っています。ですが、それと共に、自分自身にも感謝と敬意を表すことは行っていませんでした
「自分自身にも感謝と敬意を表す」という事を、セッション終了時に行うようになってから、グラウンディングが強化され、必要なバウンダリーがよりしっかりと築かれているように感じています。
最後に、26章に書かれている文章を引用して終わらせていただきます。
「一番大切なことは、自分自身を愛し、自分を許すことである。病気が重くても、自分を裁いてはいけない。自分を愛しなさい。耳を傾ける勇気を持ちなさい。メッセージも強くなり、あなたにも聞き取れるようになる。それが何であろうと、知って学ぶために、直面することをあなたは決心したのだから。それは大変に勇気のある行為である。それをできる自分を尊敬しなさい。そして、あなた自身を愛して愛し抜くのだ。あなたは、神の一部であり、神と一体である。」
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11月14日 ZOOM練習会
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11月28日 ZOOM練習会
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Healing Presence –HTSJ会報誌- 年4回発行
編集チーム 戸田美紀、鈴木幸子、大木恵美子 伊東和香子