ヒーリングプレゼンス vol.15 2021年7月(公開)
2021年6月29日
目次
ジャネットの言葉
今年も半分が過ぎました。世の中は常ならず、とはいうものの、昨年より、より先が見えにくく、定まらない感覚とともに、心落ち着き難い日々を過ごされていると思います。このようなご時世に、振り返るよりどころとして、ヒーリングタッチ創始者ジャネット・メンゲンの言葉を送りたいと思います。
私の行動の全てはエネルギー的です。私の行動の全てはエネルギー的です。
Everything I do is Energetic. Everything I do is Energetic.
あなたが足を踏み入れる、世界のいかなる片隅で、あなたは光をもたらします。
Everywhere you put your foot down you bring Light to that part of the world.
日々内なるガイダンスに繋がりなさい。ハートの真ん中に向かいなさい。本質とともにありなさい。
Connect daily with Inner Guidance. Go sit in the middle of your heart. Be authentic.
ヒーリングタッチ・アドバンスI
昨年より、HTSJでは、ヒーリングタッチ・コースワークを開催することができていません。そんな中、今年になって、千葉のルミナス・ホリスティックケアアカデミーで、毎月のようにヒーリングタッチ・コースワークを開催していただいております。開催中止を余儀なくされた月もありましたが、6月には、無事に、2019年以来となる「ヒーリングタッチ・アドバンスI:エネルギーパターンと臨床への応用」を開催することができました。アドバンスIにご参加いただいたお二人から、その感想をお寄せいただきました。
アドバンスIを受講して
大條隆章 柔道整復師 東京整骨院・施療院南葛西院長
ヒーリングタッチとの出会いは、今年の一月に御茶ノ水で開催された日本ホリスティック医学協会主権のセミナーに参加したからです。ヒーリングタッチにおけるヒーリングの真髄というタイトルでの講義でした。そこでヒーリングタッチという単語を初めて知りました。
私は柔道整復師として整骨院で、骨折、脱臼、打撲、捻挫、挫傷という外傷の施術を約30年続けてきましたが、最近は外傷関連の痛みだけではなく、生活環境のストレスから影響して苦痛を訴えてくる患者さんが増えているように感じていました。
このような患者さんには、外傷の後療法であります電療、物理療法、罨法、手技療法だけでは効果が出にくいと実感していました。そんな時にホリスティック看護に基づくヒーリングタッチは私にとってタイムリーな出会いだったのです。
迷わずにヒーリングタッチ・ベーシックとアドバンスIを同時に申し込みました。
ベーシックでは、人のエネルギーシステム、バイオフィールドのアセスメント、ヒーリングタッチテクニックを学びましたが、実際にヒーリングタッチを体験してみてとても癒しとすっきり感を得た事に感激しました。なぜなら、私はマッサージを受けると刺激量が強すぎて、終わった後にのぼせや倦怠感を受けてしまい全くすっきり感がなかったからです。
オフボディで行うヒーリングタッチは私のような刺激量の弱い体質や症状の人にとても有効な療法だと思います。
アドバンスlでは、新たなテクニックを学びながら1時間のフルヒーリングセッションを3回行い、私に出来るものかと不安もありましたが、いざヒーリングを行なってみると、1時間はあっという間に過ぎてヒーリングを行う時も、受ける時も充実した時間を過ごせました。
フルヒーリングを受ける前は左首から肩にかけての痛みと重さを感じていたのですが、フルヒーリングセッションを受けた後には痛みと重さが完全に無くなっていた事に感激しました。
私がヒーリングタッチを受講して一番印象に残った事は『最良を意図とする』という言葉でした。ヒーリングタッチをするにも、整骨院で施術をするにも意図が大切であり、何か行動するにも最良を意図とした行動は良い結果が生まれ、また充実した時間を得るものだと思いました。それに気づかせてくれたヒーリングタッチは私にとって大切な出会いだったとしみじみと感じています。そしてヒーリングタッチを多くの人に知ってもらい、体験してもらえれば、きっと癒しのエネルギーで包まれた笑顔の人々でいっぱいの社会になるように思います。
美紀先生の丁寧な指導のお陰で、ヒーリングタッチが全くの初心者の私でもベーシックとアドバンスlを楽しく受講し終了出来た事に感謝致します。
東京整骨院・施療院南葛西 https://www.tokyoss-minamikasai.com
ヒーリングタッチ・アドバンスIを受講した感想
廣川暁子 看護師 ルミナスの和訪問看護ステーション 千葉大学大学院看護学研究科 在学
ヒーリングタッチはベーシックを2年前に受講し、今年2月に再受講しました。ベーシックを受講して以降、自組織である訪問看護ステーションでときどき実践し、利用者さんの疼痛緩和や不安の軽減、意識の拡張などに役立っていたので、さらに学びを深めたいと思い、今回アドバンスⅠを受講することにしました。
アドバンスⅠでは、インテイク(いわゆるアナムネ)をとるところから始まり、アセスメント・問題認識・目標設定・計画・実施・評価という看護過程の展開と同様の手順で1時間のセッションを行っていく経験をすることができました。訪問看護の中では一般的な看護ケアも含むため、一回の訪問で1時間しっかりヒーリングタッチをすることは難しく、アセスメントがなおざりになっていました。
今回、受講者同士でエネルギーの体感をシェアすることでアセスメントの整合性を確認することができました。今後はエネルギーアセスメントもしっかりと行い、記録に残していこうと思います。また、受講しただけでは不安な部分もあり、他のスタッフからも要望があったため、ステーション内で演習・実習のプログラムを組み、自信をもってヒーリングタッチを提供できるよう仕組みづくりをしているところです。主治医の指示書依頼や本人への説明および同意書の作成、看護過程の展開という基準をつくり、それに則って安心・安全・安楽にケアを提供していくことは、今後ヒーリングタッチが日本の看護の中で確かなものとして活用されるために必要不可欠なことだと思っています。
また、今後はヒーリングタッチの事例研究など看護研究にも取り組んでいきたいと考えています。そのため、現在は大学院で看護管理を学んでおり、いずれは看護学研究者としてヒーリングタッチを含めたホリスティック看護の研究および組織マネジメント、教育をしていきたいと思っています。ヒーリングタッチを遠いアメリカで構築、普及していただいている皆様、および、日本で普及活動をしていただいている戸田美紀先生はじめヒーリングタッチ協会の皆様とともに、癒しと光、愛を広め、地球に全体性をもたらす担い手の一人としてご活用いただければ幸いです。
ルミナスの和訪問看護ステーション https://kango-station.jimdofree.com/
ノエルズマインドクリアリング
『ノエルズマインドクリアリング』は、ヒーリングタッチ・ベーシックコースで学ぶテクニックのひとつです。頭部に働きかけ、副交感神経を刺激し、頭の働きを鎮め、深いリラクゼーションをもたらします。ルディ・ノエル師によって、開発されたテクニックです。
このテクニックは、ノエル師の著書「The Huggin’ Healer」に掲載されています。ヒーリングタッチでは、ノエル師の許可のもと、クラスでお伝えしています。ノエル師によると、30年以上かけて開発されたテクニックで、時とともに改変されてきた、とのことです。ヒーリングタッチの認定コースにおいても、テキスト改訂の時に、より新しいテクニックにもとづいた手順に変更されました。本の中で、ヒーリングタッチのレベル1と2(ベーシックとアドバンスI)で教えられ、世界中で使われていることを喜ばしく思う、と書かれています。
『ノエルズマインドクリアリング』の最初のハンドポジションは、「手で頭を覆うようにしながら、指は背骨の両側にくるように、後頭骨辺縁に沿って置く」、となりますが、これは、「女性性のエネルギーを優しく、ゆっくりと流しながら、クライアントのエネルギーと合わせることで、自分自身のエネルギーのバイブレーションを高める」意図があります。そして、「クライアントが全身、そして、足先までエネルギーが感じられる」まで、これを行います。これにより、クライアントのチャクラシステムが開かれるだけでなく、神経系を落ち着かせることになります。
ノエルズ師は、セッションの時、マインドクリアリングから始め、その他のワークを行い、また、マインドクリアリングで終了するという手順をとるのがお好みだそうです。こうすることで、クライアントを落ち着かせ、深いリラクゼーションをもたらし、ストレスレベルが、ゼロに近くなるから、ということです。また、この最初のポジションで、インテイクを行うそうです。その効果は驚くべきもの、と書かれています。ヒーリングタッチの基本手順とは異なりますが、皆さんも是非、試してみてください。
『ノエルズマインドクリアリング』について、HTSJ理事たちの体験をご紹介します。
ノエルズマインドクリアリング
鈴木幸子 HTSJ理事 プラクティショナーI修了
人は一日に6万回思考をしていると言われています。確かに現代の私たちは、さまざまな考えが頭の中でぐるぐる回っていることが多いのではないでしょうか。
ヒーリングタッチのベーシックで学ぶ「ノエルズマインドクリアリング」をしていただくと、個人的な感想になりますが、頭の中のもやもやが消えて、とてもクリアになり、いわゆる「思考」、それも「無駄な思考」をしなくなるように思います。思考を鎮めるだけでなく、深くリラックスできるので、無意識の世界ともつながって、直観や気づきを得られることもあるようです。
私は月に一度、友人や知人にヒーリングタッチをさせていただいています。ある方は、さまざまな(ネガティブな)考えをお持ちで、いつも眉間にしわを寄せながらお話なさるのですが、ノエルズマインドクリアリングの後は、眉間のしわがなくなり、笑顔を見せてくださったことがとても印象に残っています。ご本人も、気持ち良くてすっきりしたとのことでした。
またある方は、昨年11月にお会いしたとき、1か月ほど前に眼病にかかり、視力が落ちたとのことでした。他にも、手術の跡の疼痛や両足や股関節の痛みがあったので、チャクラコネクションの後、痛みの箇所と目のケアを行いました。痛みが全くなくなって驚いたというご感想をいただきました。その後は、主に痛みやしびれの箇所のケアを行いましたが、今年の2月、両目がかすんで光がぼやける、視力も戻らないとのことでしたので、頭部を刺激することで目にも良い影響を与えるのではないかと思い、ノエルズマインドクリアリングを行いました。施術中、目にエネルギーが入っていくのを感じてくださいました。そして施術後は、「目が明るくなった。とても明るくてビックリした」というご感想をいただきました。
ところで、彼女は調子が悪い時には、治療院に行っているそうです。そこは知る人ぞ知る治療院で、その先生は、ぎっくり腰をその場で治したり、患部に触れずにけがを治したり、見ただけで状態がわかったりするそうです。そして、私のヒーリングタッチを受けた四日後に、その治療院に行った彼女から、次のようなメールをいただきました。「(痛みのある箇所の施術に加えて、)目もお願いして施術してもらいました。S子さん(筆者)が施術してくれた場所と同じ後頭部の付け根からの施術でなるほど!と思いました。S子さんにやっていただいた後、あの施設の廊下が明るくてビックリしたのと同じ現象が昨日も起こりました。S子さんのすごさを改めて実感した昨日でした。本当にいつもありがとうございます。」
もちろん、私がすごいわけではありません。私自身も、ヒーリングタッチの素晴らしさを実感させていただいたエピソードです。
心地よい動と静のリズム
大木恵美子 HTSJ理事 CHTP
ヒーリングタッチの基本テクニックには、身体に触れずにバイオフィールドの中でゆっくり手や指を動かすテクニックと、身体の一ヶ所に静かに手や指を置いて、1分〜数分優しく置いてキープする静かなテクニックがあります。
30種類以上あるテクニックの中で、この動と静リズムを心地よいと感じるテクニックの一つのが“ノエルズマインドクリアリング”です。私が過去に頂いた感想には「閉塞感と開放感が交互にやって来て気持ちいい」「孫悟空の輪っかがフッと外れた感じ」「ごちゃごちゃ話していたのにいつの間にか寝てた気がする」「夢と現実を行き来している感じがする」「重さがなくなって軽くなった」 「視界がクリアに見える」などがあり、リラックスとリフレッシュの両方を感じられる方が多いです。
実際、私自身も施術してもらいそのように感じることがあります。ヒーラー役をしていた時、相手の頭部を触れているのに内臓を感じるという体験もありました。大袈裟かもしれませんが、脳は内臓という小宇宙と繋がっているといった感覚でした。
ヒーリングタッチの全てのテクニックは触れても触れなくても出来ますが、ノエルズマインドクリアリングは“触れることの効果”との相乗効果が期待でき、リラクゼーションと集中力を高めてくれるのでとてもオススメです。ソーシャルディスタンスという新しい生活様式の下ではありますが、対面セッションの機会には是非リクエストしてみて下さいね。
ノエルズマインドクリアリング
伊東和香子 HTSJ理事 アドバンスII修了
これは、普段からスキンシップを避けたい私にとって、正直なところ苦手なテクニックです。それ故か、何度も教わってもしっかり覚えられず、毎回テキストを見ながらたどたどしく施術しています。
自分自身に施すには、手の位置に少々無理がありますが、形は違えど意図を持って行ってみました。低気圧による頭痛とめまいに悩まされていたので、良い機会だと思いました。結果、施術中に痛みは無くなり、少しぼうっとした感じは残ったものの、何とも言えない爽やかな視界になりました。途中、汗びっしょりになったので、その爽やかさも相まったかも知れません。
また、ヒーリングタッチやエネルギー療法に懐疑的な人に施術したところ、私自身はいつものように体が熱くなり、手や指先はフィールドやエネルギーを感じました。相手が見えない力を理解していなくとも、施術に了解さえもらっていれば、問題なくエネルギーは巡るのだと実感しました。ただ、感想は、否定的ではないものの、特に効果を称賛するものでもなく、たんたんとしています。「整体でいつもほぐしてもらうところが重くなったけど、今は何ともない」「何にも変わらない」「途中熱くなったけど、今は平気」などでした。
私自身が施術してもらった時、終わった後の視界の鮮やかさに感動したので、続けてちゃんと身に着けたいテクニックです。
おすすめ書籍
Compassion コンパッション
状況にのみこまれずに、本当に必要な変容を導く、「共にいる」力
ジョアン・ハリファックス著 英治出版
自身を犠牲にせずに対人支援をし続けるにはどうしたらよいか。
仏教指導者、人類学博士、社会活動家であるジョアン・ハリファックス老師が長年の活動と探求から見出した答えが「コンパッション」を育むことでした。
「コンパッション」は、英語のCompassionのことですが、共に(com)苦しむ(passion)という意味を持ち、日本語では、慈悲、慈愛、思いやり、慈しみと訳されます。著者は、「人が生まれつき持つ「自分や相手を深く理解し、役立ちたい」という純粋な思い。」「自分自身や相手と「共にいる」力」であると言います。これは、同情や憐憫とは明確に区別されます。
本書では、対人支援に重要となる資質を「利他性(無私の状態で他者のために役立とうとすること」、「共感(他者の感情を感じ取る力)」、「誠実(道徳的指針を持ち、それに一致した言動をとること)」、「敬意(命あるものや物事を尊重すること)」、「関与(しっかりと取り組むが、必要に応じて手放すこと)」の5つを挙げています。そして、これらをエッジ・ステートと呼んでいます。なぜなら、これら5つの資質は、一歩間違えると、利他性は「病的な利他性(承認欲求にとらわれたり、相手を依存させてしまったりする状態)」に、共感は「共感疲労(相手の感情と一体化しすぎて自分も傷つく状態)」に、誠実は「道徳的な苦しみ(正義感に反する行為に関わったり、目にしたときに生じる苦しみ)」に、敬意は「軽蔑(自身の価値観と異なる相手を否定し、貶めること)」に、関与は「燃え尽き(過剰な負荷や無力感にともなう、疲弊と意欲喪失)」に陥ってしまう、つまり、いつでも崖(エッジ)から落ちてしまう可能性のあるもの(ステート)だからです。
エッジ・ステートごとに一章を割き、死にゆく人々に寄り添うケア、途上国の貧困地域で支援、刑務所の収監者へのセッションなど長年のハリファックス老師の経験に基づいた事例とともに、エッジ・ステートの負の状態が描きだされています。対人支援を行っているものには、身に覚えがあることも多く、また、負の状態に陥っているという気づきや発見があり、心に痛くも深く響いてくることでしょう。
そして、崖から落ちずに、崖の上に立ち、健全に対人支援をしつづける鍵になるのが「コンパッション」を育むことなのです。ハリファックス老師はコンパッションを育むための「GRACE」というプログラムを提供しています。脳科学者、社会心理学者、哲学者、医療者とともに検討し、開発したプログラムです。本書の最後には簡単なGRACEプログラムの解説もあります。
セラピストや対人支援者には必須の一冊としておススメします。また、誰もが家族の介護を経験する、そして、互いの助け合いがより一層必要となってきている社会において、すべての方にとって、心のよりどころになる一冊となることでしょう。
(文: 戸田美紀)
お知らせ
HTSJ 2021 スケジュール (予定)
7月10日 ZOOM勉強会
7月17日 リアル練習会(東京)
8月21日 リアル練習会(東京)・ZOOM練習会
9月26日 リアル練習会(東京)・ZOOM練習会
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Healing Presence –HTSJ会報誌- 年4回発行
編集チーム 戸田美紀、鈴木幸子、大木恵美子、伊東和香子