ニュースレター

ヒーリングプレゼンス vol. 7 2019年7月(公開)

2019年8月8日

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バイオフィールドタッチケア

長い梅雨がやっと明け、いよいよいつもの夏、真っただ中です。皆様、いかがお過ごしでしょうか?

6月の末に、HTSJから皆様に、予定していた本年度のコースワークを見送る旨のメールを配信しました。驚かれた皆様、このまま、活動が少なくなってしまうのか、と懸念された方もいらっしゃると思います。ご心配かけて申し訳ございません。しかし、HTSJでは、今後、より多くの皆様に、ヒーリングタッチ、そして、そのエッセンスをお伝えしていくために、現在、新たな施策を準備しております。

HTSJがNPO法人として設立されたのは2017年ですが、その事業は、2007年から始まった活動を継承しています。その10年間に、社会の疲弊とともに、癒しやヒーリングのニーズが高まり、多くの代替療法が受けられるようになりました。また、インターネットの環境が変わり、多くの人びとに物事を伝えていくには、それに伴ったコミュニケーションも必要となってきました。これら考慮し、HTSJでは、より多くの皆様に役に立つ活動として、1)『バイオフィールドタッチケア』ワークショップの開講、2)ヒーリングタッチと関連する書籍をe-bookなどでの発行を企画しております。

1)の『バイオフィールドタッチケア』は、より多くの方が受講しやすいように組み立てた、バイオフィールドタッチケアの実技を1日で学ぶワークショップです。ヒーリングタッチのエッセンスは学べませんが、手を使って安全にバイオフィールドをケアする技法を学びます。早速10月に『バイオフィールドタッチケアDAY1』のクラスを開催する予定です。2)のヒーリングタッチと関連する書籍とは、ヒーリングタッチを学ぶ皆様にとって、また、一般の方にとって役に立つ書籍の翻訳本、または、日本語での書籍の発行です。

来年は、また、新たな形で、ヒーリングタッチのコースワークを提供しいく計画を立てております。
今後とも、皆様のご支援、ご協力、アドバイスをどうぞよろしくお願いいたします。

 

ヒーリングタッチのやさしさ

藤原 貴子

人の手の温もりには、とても素晴らしい力が秘められています。そう実感できるようになったのは、ヒーリングタッチに出会ったからかもしれません。

わたしがヒーリングタッチのセッションを依頼したのは、うつ症状がひどく、体力が落ちて思うように動けないときでした。都内のサロンまで行くことができないため、プラクティショナーさんが自宅まで来てくださることになりました。

ヒーリングタッチを行う前に、丁寧なヒアリングを行いました。どのような症状がいつからあるか、身体と心の様子を細かく確認していきます。また抱えているストレス、生活状況や人間関係など、全体的な視点でヒアリングを進めていただきました。わたしの症状は複数ありましたが、一番つらいのはエネルギーが落ちて非常に疲れやすいことでしたので、そこからアプローチしていきましょうということになりました。

まずは全体のチャクラの状態をチェックするアセスメントをやっていただきました。最初は目を閉じていて何をやっているのかわからなかったのですが、後でペンデュラムを使って行っていることを知り、エネルギーを読み取るこんな方法があるのだと大変興味深く感じました。次にチャクラコネクションをやっていただきました。始める前に、「直接触れてもいいですか。それとも手を離して行いますか」とプラクティショナーさんに聞かれました。クライアントの身体に触れる許可を確認してもらうことで、受ける側としては安心して任せられる心持になりました。わたしはエネルギーに敏感な体質なのですが、触れてもらうと足元からあたたかいエネルギーが流れ、心地よさと共に緊張していた身体が少しずつ緩んでいくのを感じます。足のチャクラから上に向かってじっくりと丁寧に、やさしくゆっくりと身体を撫でてもらっているような感覚がありました。その日は真冬の寒い日だったのですが、身体のあたたかさは徐々に強まり全身に広がっていきました。心の緊張も解けてゆったりとした落ち着いた気分になりました。次に頭痛症状があったのでマインドクリアリングをやっていただきました。頭に触れてもらうのはとても気持ちよく、頭がすっきりしてきます。頭の中のエネルギーが動くのがわかり、一時期、頭頂に昇っていくような痛みが起こりました。それを伝えると椅子に座ることになり、頭を前後から手で触れる手技をやっていただいたら、不思議と痛みが拡散するように消えていきました。

セッションが終わり、今日のわたしのチャクラとフィールドの状態を教えていただきました。入浴や睡眠とはまた違う、深いリラクゼーションを体験して、身体のあたたかさと心の落ち着きが続きました。「顔色が少しよくなったみたいですね」と言われて嬉しかったです。

2週間後にまたセッションを行いました。2週間の間にエネルギーの循環が少し良くなったようでした。今回はキレーションやリンパクリアリングをやっていただきました。プラクティショナーさんの身体の振動がわたしの身体に伝わり、よりエネルギーの流れが改善された感覚がありました。その日は胸腺(ハイハートチャクラ)につかえるような痛みがあったので、その部位の前後を手で挟むように触れていただきました。すると、胸の奥底からエネルギーが波のように沸き起こり、それと共に知らずのうちに涙が流れてきました。手から流れる何かしらの力がわたしのハートを癒してくれているようでした。

3回目のセッションの時には、最初の時より身体がだいぶ疲れにくくなっていました。フィールドもだいぶ大きくなり、チャクラも最初は動きがよく見えなかったのが、今回はチャクラのバランスがはっきりわかるまで回復したということでした。セルフチャクラコネクションを毎日やるように勧められたのですが、この方法はとてもリラックスできて身体がすっきりするので欠かせないセルフケアとなり、1日2回ずつ行うようにしました。

ヒーリングタッチでは、エネルギーの滞りを解消していくこをまず行うと伺いました。エネルギーが流れるようになることで、ポジティブなエネルギーが流入してくるようになり、回復を促進するそうです。

わたしは今まで様々な代替療法やエネルギーワークを体験してきたのですが、中には症状に積極的に働きかけることで、好転反応による痛みや症状などが出て、返って体調が悪化するということが度々起こりました。それに比べてヒーリングタッチはとてもソフトなエネルギーワークである印象があります。わたしの場合、ヒーリングタッチでは好転反応が起きず、深いリラックス感覚と身体が少しずつゆっくりと元気になっていく過程が感じられます。それが安心してお願いできる重要なポイントであると思います。

また、わたしがヒーリングタッチを気に入ったもうひとつの点は、セラピーにおいて症状の原因を特定して意図的に解消しようとせず、エネルギーを流してクライアントの自己治癒力に働きかけ、起こるままをやさしく見守ってくれるところです。「治す」のではなく、クライアント本人の「ベストな状態」、「本来の姿」に戻る手助けをするという姿勢が、個人を全体的な生命体と捉え、個人の生きる力を大切にするホリスティック医療観につながっていると感じました。ヒーリングタッチに出会えたことに心より感謝いたします。

 

GRACEプログラムとヒーリングタッチ

今年3月、米国ニューメキシコ州にあるウパヤ禅センターというところで、GRACEと呼ばれる3日間のプログラムに参加してきました。これは、ジョアン・ハリファックス禅老師がつくった「コンパッション」を養うプログラムです。「コンパッション」とは、ヒーリングタッチで学ぶハートの属性のひとつで、「思いやり」と訳しているものです。GRACEの教えは、ヒーリングタッチのそれと矛盾することなく、ヒーリングタッチの学び・歩みを補完すると感じているので、ここでご紹介したいと思います。

GRACEプログラムでは、死に逝く人や破滅的な事態を経験した方々をケアする仕事や活動をする過程において、心を痛めたり、感情を抑え込んだり、時に燃え尽きたりすることなくいるためには、「コンパッション」が鍵になると説いています。その教えは、とても深く、必ずしもそのような仕事や活動をしていなくても、今日、人類すべてが、学び、気づいていかなくてはならないものだと思っています。私は、この「コンパッション」こそが、人間社会が歴史的に次の時代を築くために不可欠なことだと感じています。

ハリファックス老師は、「コンパッション」とは、心理的にも心身的にも欠如していない状態と説明します。それは、私たちの本質であるという意味です。私たちは、生きていく中で、様々な体験を通じて、独自の感情反応や考え方を作り上げてしまいます。そうすると自分自身も他者も環境も部分的にしか見ることができません。これが「欠如」した状態です。しかし、そのような偏りをそぎ落とし、本来の自分自身である状態であれば、そこには 「コンパッション」が既に存在しているのです。GRACEプログラムは、自分自身の本質に触れていく歩みなのです。どこか、ヒーリングタッチと似ていますね。

GRACEは、優雅さ、品格、優しさ、神の恩寵、などを意味する英語ですが、ここでは、「コンパッション」を養うためのステップの頭文字として使われています。

Gather attention(注意を集める)
Recall intention(意図を思い出す)
Attune to self and others(自分自身と他者に調子を合わせる)
Consider what will serve(何が役に立つか考える)
Engage in action/End(必要な行動に従事し、その行動を終える)

 GGather attentionは、ヒーリングタッチのプラクティショナーの準備で行うセンタリング、グラウンディングのプロセスと重なります。しかし、単にグラウンディングのGとはせずに、注意を集める、としているのは、センタリングとグラウンディングのプロセスを通じて、直面している状況に対する自身の反応に気づき、さらにその注意を広げ、起きていることに対する自身の解釈や期待などに気づいていくことを意味しているからです。このように気づいていき、無条件なフィルター無しの状態へと入っていくのです。

 RRecall intentionは、「意図を思い出す」と言う意味ですが、その意図とは、Gの状態を通して、私たちの根底にある共通する向社会的な倫理的価値観から生まれるもの、つまり、「コンパッション」なのです。ヒーリングタッチでも、ハートが持つ属性、「思いやり」、「内在する調和」、「癒しの存在」、「無条件の愛」は、誰もが持っているもの、と学びますね。ヒーリングタッチでは、相手に対する意図は「最良のこと」とするのですが、自分自身の意図の源は、ハートにあり、それは、ハートに秘める私たちの本質に他なりません。

 AAttune to self and othersは、「自分自身と他者に同調する」ことなのですが、ヒーリングタッチでもクライアントとアチューニングを行いますね。GRACEでは、自分自身に同調(Attune)する入り口として、身体、感情、思考などがあるとしていながら、これらは、しばしばバイアスがかかっているので、まず、それに気づき、自身の深い部分に同調すると説いています。また、他者への同調は、相手を客観視するのでも、相手に感情移入をするのでもなく、自身の主観を広げることであると言います。これは、少し捉え方を変えないと分かり難い感覚かもしれませんが、ヒーリングタッチでいうハート・トゥ・ハートに重なる感覚ではないかと思います。

 CConsider what will serveは、「何が役に立つか考える」という意味ですが、考えるというよりは、見極めると、表現されていました。面白いことに、それが何か「知って」いなくても、ここではデータを集めて、識別するのだと言います。それは、知っているという「バイアス」を避けるためです。まず、自分自身に深く聴き、相手と深くつながります。頭で考えるのではなく、つながることで、見出していきます。まずはポーズする(止まる)、すると、知らずにわかる、という感覚につながれると言います。

 EEngage in action/Endは、「必要な行動に従事し、その行動を終える」段階です。自分自身とその状態に沿った行動を行うのですが、そのためにも、やはり、ポーズ(静止)することが大切です。そして、やるべきことを終えたたら、「結果には決して執着しない」と教わります。これは、全く、ヒーリングタッチの教えと同じですね。GRACEでは、ワークを「終了」することは重要であるとし、自分ができる最良のことをしたのだ、と認識し、その機会を与えてくれた相手に感謝をささげ、さらに、望むような結果でなかったかもしれないことへの許しを乞うのだと言います。

 プログラムにおいては、各段階の説明が終わると、ロールプレイを中心としたワークを行い、コンパッションへの歩みを体験していきます。どのワークもシンプルではあるのですが、実際に体験してみると、心の深いところまで響きます。また、自分自身への注意が研ぎ澄まされてきて、自分自身をよりよく知る作業にもなります。沢山のワーク、そして、参加者のシェアは、コンパッションが宿る深い部分を揺さぶるのに十分なものでした。この学びを忘れず、「常に」ポーズし、自身に気づき、より深い部分へのアクセスを試み続けて歩んでいくのだな、と感じました。

ヒーリングタッチを学ぶ皆さんには、GRACEプログラムをおススメします。ヒーリングタッチを学び、伝えていくことと、コンパッションを養い、その重要性を伝えていくことは、その意図において同じように思います。日本では、2015年より定期的に開催されています。また、是非、ハリファックス老師の著書『死にゆく人と共にあること:マインドフルネスによる終末期ケア』をご一読ください。

文: 戸田美紀

 

タッチの研究紹介

近藤浩子

学会発表だけで論文にしていない実験データの一部をご紹介させていただきます。未熟な研究結果ですのでご笑読ください。

Research on the effects of the touch as the healing technique on the touch giver”

タッチを提供する人にとって、癒し技法の実践がどのような効果をもたらすのかを測定した研究です。

研究協力者:
 研究の協力者は、15名の健康な看護学生でした。

タッチの方法:
タッチは、2人ペアになり、座位で相手の上背部に10分間、やわらかく手をあてる方法で行いました。最初に5分間、グラウンディング・センタリングを行ない、自分の呼吸を意識してもらいました。次に、“相手の背中をよく見て、呼吸によって背中がふくらんだり、縮んだりするのを感じながら、触れてみたいと思う所に、やさしく手をあててください”と伝えました。“あてた手を通して、相手の呼吸が感じられたら、相手の方に手をあてる位置、あてる強さについて希望を聞き、それに従ってタッチを続けてください“と、ボイスガイドしました。ペアのタッチは、毎回相手を替え、3週間の間に5回実施しました。

効果測定:
タッチ提供者には、指先温度センサ(LT-8、Gram)と心拍モニタ(LRR-03、GMS)を装着して、指先温度と心拍を持続測定しました。またタッチ後には、タッチ提供者とタッチ受け者の双方に、評価表をつけてもらいました。タッチ提供者への質問は、タッチ中は、 「1.相手の呼吸を感じていた、2.緊張した、3.気持ちが穏やかだった、4.受け身での姿勢でいた、5.考えごとが浮かんだ、  6.眠かった、7.あてた手の感覚に集中した」の計7問、一方、タッチ受け者への質問は、「1.あてられた手のあたたかさを感じた、2.心地よかった、3.楽になった、4.気持ちが穏やかだった、5.考えごとが浮かんだ、6.眠かった、7.あてられた手の感触を感じた」の計7問でした。評定は“全くそう思わない(-3点)”から“非常にそう思う(+3点)”の7段階でした。

結果:
タッチ提供者の指先温度は、グラウンディング・センタリング中に、平均32.9℃から34.7℃へと約1.8℃上昇し、タッチ中はこの温度が維持されていました(Fig1、 Fig2)。タッチ後の評価では、すべてのタッチ提供者が、相手の呼吸を感じとり、穏やかかつ受け身の姿勢で、あてた手の感覚に集中できたと回答しました。しかし、緊張した、考えごとが浮かんだという回答も、若干ありました(Fig3)。一方、すべてのタッチ受け者は、タッチにより、あたたかさや心地よさを感じていました(Fig.4)。心拍の解析結果は、ここでは省略します。

 

 

結論:
指先温度の上昇は、リラックスした状態を示すことから、タッチ提供者はタッチを提供することによって、自分自身もリラックスした状態になれたと考えられます。本結果は、初めてタッチを行った看護学生のデータですが、タッチの方法を丁寧に説明すれば、多くの場合、特に練習をしなくても、心地よいタッチを実施できる可能性が示唆されたといえます。反面、5回の実験結果に差がなかったことから、タッチの熟達には、さらなる回数を重ねる必要があることが示唆されたと考えます。

 

お知らせ

HTSJ 2019 スケジュール
  8月24日 ヒーリングタッチ練習会
  9月15日 ヒーリングタッチ練習会
  9月29日 ヒーリングタッチ・モニター体験会
10月 6日  IHANシンポジウム参加
10月20日 バイオフィールドタッチケアDAY1
10月26日 ヒーリングタッチ練習会
11月23日-24日 出張ヒーリングタッチ・ベーシック(名古屋)
11月30日 ヒーリングタッチ練習会予定
12月 1日  バイオフィールドタッチケアDAY2予定
12月22日 ヒーリングタッチ練習会予定

*2019年のコースワークは、依頼に応じて出張コースワークにて行います。
*練習会またはテクニックレビューは、毎月1回、その他、ヒーリングタッチ入門ワークや体験会を予定しています。詳細が決まり次第、お知らせメール、WEBサイトにて告知いたします。

ボランティアスタッフ募集
HTSJでは、ボランティアスタッフを募集しています。作業時間や内容は、ご希望やスキルに応じます。作業分野としては、①各種講座運営、②企画、③広報・宣伝、④経理・財務、などです。ご応募、ご質問は、info@healingtouch.or.jp までご連絡ください。

☆会員の皆様からの寄稿をお待ちしております。
ヒーリングタッチの実践、応用、練習会の体験など、是非、お寄せください。
ご投稿、ご連絡、お問合せ先:info@healingtouch.or.jp

 

Healing Presence –HTSJ会報誌- 年4回発行

編集チーム:しばたあきこ、戸田美紀、中村則子、古川綾子

NPO法人日本ヒーリングタッチ協会
info@healingtouch.or.jp  http://healingtouch.or.jp/


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